オールインワンの基礎化粧品は使うべき?
たったひとつで、化粧水、美容液、乳液の役割をしてくれるオールインワン化粧品。
最近では、化粧下地効果まで入った便利なものまであります。これまで化粧品をいくつも使っていたのが1つで済むので、愛用している方も多いと思います。
しかし一方で「オールインワンって、どの効果も中途半端なんじゃないの?」という声を聞きます。
果たして、真相はどうなのでしょうか。
それぞれの基礎化粧品が持つ役割を理解しよう
化粧水や乳液など基礎化粧品には、それぞれ大切な役割を持っています。
例えば化粧水を例にあげてみましょう。
私たちの肌は、角質とそのすき間を埋めている細胞間脂質というものが何層も連なって構成されています。
化粧水は、この角質に水分を補給することで、肌をふっくらさせる保湿の役割を持っています。
さらに、肌を柔らかくさせることで、次に使う成分の浸透を促してくれるのです。
化粧水を最初に使う理由がよくわかりますね。
それに対して乳液は、角質の間の細胞間脂質を調えることで、水分が与えられた状態の角質を守るバリアをつくる効果があります。
ひとことで「保湿」といっても、化粧水と乳液だけでも、ここまで役割が違うものなのです。
オールインワンのデメリット
それぞれの基礎化粧品が持つ効果ごとに比較した場合、オールインワン化粧品は、やはり単体の化粧品には敵いません。
たとえば、化粧下地効果を持ったオールインワンゲルの場合で考えてみます。
化粧下地には肌のキメを滑らかにして、ファンデーションのノリをよくします。
また、ファンデーションが毛穴に詰まるのを防いだり、メイクを落とす際に落としやすくしたりするような効果もあります。
しかし、それらの効果を出すための成分の中には、肌につけたまま寝てしまうとよくない成分も含まれていることもあるのです。
ですから、夜も使えるオールインワン化粧品の場合、それらの成分をカットしている分、ファンデーション崩れを起こしやすいなど、下地としての効果は十分に発揮されないこともあるのです。
基礎化粧品単体をその道のプロフェッショナルとするならば、オールインワンゲルは、いわば器用貧乏タイプと言えるのかもしれません。
また、敏感肌やお肌の弱い方は、オールインワン化粧品で肌トラブルが起こりやすくなる場合があります。
オールインワン化粧品は、複数の化粧品を合わせているため、製品に配合される成分も多いので、トラブルになるリスクが高いと言えます。
お肌の弱い方は、自分に合った化粧品をひとつずつ使っていくことが大切なので気をつけましょう。
オールインワンのメリット
では、単体の化粧品より効果の落ちるオールインワン化粧品は、使わないほうがいいのかというと、そうではありません。
最近の化粧品は必要以上に高性能なものが多いので、それを無暗に使うことは、肌を甘やかし、肌が本来持つ保湿機能や自己再生力を低下させることにも繋がりかねません。
最小限の効果にとどめたオールインワン化粧品を使うことによって、自立した肌が強くなる場合もありますし、なんといっても面倒なスキンケアの工程がたった1つで済んでしまうのは魅力的。性能が劣るからといって毛嫌いするのはもったいないことです。
ひとくちにオールインワン化粧品といっても、その種類は無数にあるので、選び方が難しいところがあるかもしれません。
保湿効果が高い、美白効果が高いなど、商品の特徴にあわせて、自分の肌に合ったものを見つけることができれば、これほど心強いものはないでしょう。